英語学習に困難を示す生徒に対する綴り訓練ソフトの検討

摘要

英語の書きに困難を示す生徒の対する綴りの訓練ソフトを試作し，実際に困難をもつ生徒にプレイをしてもらい実験を行った．妨害刺激に関して，「b」に対して「d」のような似た文字を妨害刺激として訓練に使うことにより，その後書きテストにおいては似た文字の混同が見られなくなり，母音に関する妨害刺激を加えたことにより，「e」を用いる誤答が訓練ゲーム内で多く見られたといった結果となった．今回の研究では，妨害刺激を訓練に加えることの有用性に関して判断することは出来ず，今後調べる必要があると考えられる．また，今回の実験により，協力者の母音字の連続する単語や，母音字に「r」が続く英単語の苦手さが確認された.現状のこの訓練ソフトではそれらの単語の訓練には効果的でないため，今後はその部分に的をしぼった効果的な訓練が必要であるといえる．