仏領期べトナム北部における小学校の標準化に関する研究: フランスの小学校の設計基準に着目して

摘要

近年、非西洋諸国における近代化が西洋化とほとhど同意義で极われてきたことが指摘されている。外的因子によって近代化が促進されてきた非西洋諸国には旧植民地諸国が挙げられる。建築分野における植民地の近代化も主に宗主国の建築家による作品や都巿計画から語られているものが多く、植民地における本国から逸脱した特徴は植民地で生まれた新しい様式が挙げられている。レイナー•バンハムは様式伝播においてフランスのェコール•デ•ポザールの様式教育、特にジュリアン•ガデ(以下、ガデ)の建築理論に近代性を指摘している。ガデの建築理論は植民地獲得競争が激化する19世紀に衛生や機能の観点から改変•改良されたビルディングタイプを認識しており、それらを踏まえた上で様式を要素に分け要求性能に合わせて再構成可能にしたものであった。ガデに学hだ建築家エルネスト.エブラールは「ィンドシナ様式」を創造しており、その留意点の一つである気候条件への適応はガデの再構成の概念を応用したとも捉えられるが、建築の特徴に関してはビルディングタイブを問わず適用される様式としてのH及にとどまつている。