ベビー休憩室コンセプトブックの開発と評価

摘要

公共施設の設計に際し，授乳やおむつ替えを行うための場所(ベビー休憩室)の必要性は理解していても，利用者のニーズや設計のポイントまで熟知している設計者は限られているし，これらの情報を入手するのも容易ではない。本報はべビー休憩室を対象に，現地調査，利用者を対象としたィンタビュー調査とアンケート調査，有識者ヒアリング調査等を実施しただけではなく，そこで明らかとなった知見を総合し，ベビー休憩室コンセプトブックという設計支援冊子にとりまとめることで，ベビー休憩室のデザインの品質保証に寄与することを意図したものである。調査研究の結果を論文発表して終わりとするのではなく，その結果を設計支援情報として整備し，社会的に共有·活用していくことが重要であることはわかっていてもなかなか実現していないのが実情である。そんな中，著者らの実直な取り組みは，計画研究の実務適用という観点から，高く評価されるべきであろう。%Baby room concept book was developed based on the surveys with the purpose of indicating guidelines for the planning of nursing room and changing station. It contains the following: site planning, scale, zoning, access routes, interior design, lighting, facility planning, details, and layout plans. Then, taking feedback from users into consideration, it has been revised and enlarged. This process shows the importance of responding to a changing situation and establishing a feedback system. Continuous revises will contribute to provide better environments of lactation and changing despairs for children and their family.