キノコ中毒

摘要

近年のァゥトドアブームで,一般人が山林などでキノコを採取して摂取することで発症する中毒が増加しており,秋(9～10月頃)に中毒患者発生がピークとなり,全体の約9割を占めている.キノコ中毒の特徴として,1件で複数人の患者が発生することが多く,複数患者の対応を要することがある.実際には16〜42件/年の発生に対して,中毒患者は44〜110人/年となっている.一般的には,キノコ摂取から数十分～数時間で症状が発生するため,「キノコが原因の中毒」と診断することは比較的容易であるが,スギヒラタケなど摂取数日～1カ月後に症状が出現する種類もあるので注意が必要である.一般に販壳されているキノコは食用に品種改良されたものであり毒性はないが,自然界のキノコは医学的解明がなされていないものが多く,毒性の有無の判断は難しいため,自己判断で採取し摂取することは推奨されない.