原子力産業に従事する組織成員意識の変化に関する探索的検討

摘要

これまで原子力産業に関わる組織成員が,事故によって精神衛生に関してどれくらいの影響を受けているのか,どのような要因により精神衛生は変化するのかを,複数の時点の調査データの分析を通して明らかにする.精神衛生の指標としては,「不安感」を取り上げた.精神衛生の指標は東日本大震災後にもっとも低下(不安感は増大)しており,そこから現在は回復している.また不安感と関連する要因として「誇り」が示され，「仕事継続意思」と「誇り」とが関連することも明らかになった.仕事を不安感なく継続意思を持って行う上では，誇りを醸成していくことが重要である.