新時代を迎える医療保険の負担のあり方

摘要

30年続いた平成が5月1曰に改元されます。四半世紀を超えて続いてきた「平成の世」を振り返れば、さまざまな出来事が国民生活はもちろん、社会保障分野でも起こりました。健康保険組合に多大な負担を強いている後期高齢者支援金と前期高齢者納付金は、11年前の平成20(2008)年に創設された高齢者医療制度で導入されたものです。また、社会保障の財源を考える上で欠かすことのできない消費税は、まさに平成が始まった年（1989年)の4月に、3%の税率でスタ一卜しました。翻って将来に目を向けると、10月には消費税率が10%に引き上げられようとしています。団塊の世代が全て後期高齢者となる2025年まで、残された時間はら年となり、より一層進展する少子高齢化が社会全体に与える影響は、ますます大きくなることが明らかです。医療保険で考えれば、現役世代に偏った負担を早急に改めなければ、負担が限界を超え、制度を維持できなくなることに疑う余地はありません。元号だけでなく、健保組合をめぐる情勢も大きく変わろうとするなか、医療保険制度の負担はどうあるべきか、慶應義塾大学経済学部教授の土居丈朗氏、全国健康保険協会理事長の安藤伸樹氏、健保連の佐野雅宏副会長とコ一ディネ一タ一役の読売新聞社編集委員の阿部文彦氏の4人で議論してもらいました。