食品安全におけるノンターゲット分析の有用性: LC/TOF-MS分析および精密質量データベースの作成とその活用

摘要

種々の食品が生産され，それが消費者の手元に至るまでの複雑なプロセスの中で，意図的・非意図的に混入する可能性のある化学物質をあらかじめ想定することは非常に困難ではあるが，最近の食品に関係する事件・事故等を見ると，想定外の化学物質にも対応した検査システムの整備が重要であると考えさせられる.ノンターゲット分析は，定量すべき化学物質の有無を調べる一つのスクリーニング手法であり，従来のターゲット分析と組み合わせることで，食品の全体像を把握することが可能になると考えられ，食品の安全性を確認するうえで有用である.