近畿の地方衛生研究所における健康危機対応模擬訓練の事例紹介(フードディフェンス: 食品テロを未然に防ぐために)

摘要

地研における健康危機対応模擬訓練は,原因物質,情報伝達や検体の搬入等の設定に関し多くの制約がある.また,医療機関や地研以外の行政機関や関連部署(保健所や衛生主管部)との強力体制の構築が難しいため,実際の健康危機管理と多少解離した内容にならざるをえない.しかしながら.各機関内での対応体制の見直しや健康危機事象に対する職員の技能および動機づけ(モチベーション)の向上や維持等に良い機会であると考えられる.近畿の地方衛生研究所ではこういった模擬訓練を毎年継続して実施している.継続的な実施により得られた知見を集積•共有していくことは実際の健康危機対応に極めて有用である.