'形'を卒業して、色へ。だけどその絶対性を壊したかった

摘要

ショーの立ち上がりは、どちらかというと平凡だった。ツートーンカラーのプリントゃジャカードのワンピースとセットアップ、コートが続き、今回はサプライズのないショーになりそうだと会場の誰もが思い始めたころ、突如白衣をまとった2人の女性が登場した。中央の強烈なライトに照らされた光の輪に入り、回転する床がゆっくり一周回り終わるころには、会場は—種、奇妙な興奮状態に陥った。真っ白だつたヘッドピース、別珍のガウン、そして靴までがパープルとカレーに変わっていたからだ。「今回のテーマは直球中の直球で"カラー"。モノクロのインビテーション（解説①）で伏線は張っていたけど、誰も気付かなかった。ショーでも前半は焦らして焦らしてという構成だったので、驚くほど上手くいった」とは森永邦彦デザイナー。ありそうでなかった色変化のコレクションは、今回の東コレで圧倒的な存在感を放った。