世界トップ間近の製紙大国・中国が抱える課題と求められるサプライヤー技術: チャイナペーパー2008上海に参加して

摘要

中国が米国を抜いて世界－の紙・板紙 生産国になるのは時間の問題と見られて いる．急速な経済拡大を背景に同国製紙 産業は高成長を果たしてきたわけだが， それだけに積み残された技術課題も少な くない．華やかに新鋭大型マシンの新増 設が相次ぎ，大手製紙による生産集中化 が進展しているが，一方では依然中小工 場への依存度も低下しておらず，そこで は品質対策や環境保全の強化,原燃料の 有効利用などが迫られている． 本誌はそうした中国で開催される製紙 関連の代表的国際展示会「チャイナペー パー」に協賛誌として毎回参加，回を重 ねるごとに充実する規模・内容を通じて 同国製紙産業の発展を実感してきた．昨 年は07年北京から上海へ開催地を移し 9月18～20日の3日間開催されたが， 同展示会に出展されたサプライヤー製品 により今回も中国製紙産業における技術 発展の一端を垣間見ることができたので ある． 以下，中国製紙産業を概観するととも に同展示会をレポートし，また会期に合 わせ催されたメッツォペーパー社「テク ノロジーデイ2008」などについても簡 単に報告する．