木造建築物の復原設計3Dモデルによる仮組み

摘要

木造の文化財や歴史的建造物では，建物の経年劣化による傾きや，不陸，部材の腐朽などが存在するので,復原·保存修理では解体時の建物調査結果から，傾きや不陸を調整し，部材の高さなどを決定する。また復原工事では，木材の腐朽部や損傷部の補修後に，実部材を使用した「仮組み」を行う。柱の足元が腐っている場合は，最初に柱材を補修したうえで仮組みをするので，仮組みまでに時間がかかる。この課題を解消するため,安藤ハザマはアールテックと共同で文化財•歴史的建造物の復原修理で行う実際の作業のように木造歴史的建造物の軸部材をスキャニングし，そのデジタルデータから作製した3Dモデルを使いBIM上で組立，二次元設計図から起こした3D復原設計モデルとの比較を行い，その有効性を検証し，大正時代の木造歴史的建造物の軸組部材の3Dモデルを使いBIM上で仮組みを行った。