液化ジメチルエーテルによる高含水微細藻類からの 油脂抽出装置の開発

摘要

トウモロコシなどの高等植物でバイオ燃料を生産す ると、耕作地を全て用いても石油の消費量をカバーで きない。このため、単位時間·面積当たりの光合成速 度がトウモロコシの数百～数万倍ともされる微細藻類 でバイオ燃料を生産しないと、持続可能な近代的エネ ルギーにアクセスできない問題がある。 しかし、微細藻類は窒素含有量が高く、そのままバ イオ燃料として利用できないので、含まれる油脂を抽 出して利用する必要がある。通常は、微細藻類を乾燥 し、油脂をヘキサンなどで抽出するものの、微細藻類 の水分は多いので、前処理として乾燥が必要である。 乾燥工程で消費する化石燃料による投入熱量は、微細 藻類から得た油脂の熱量より遙かに多いので、エネル ギー収支がマイナスとなり、全体的には CO2を排出す る問題が生じる。 この困難な問題に対して、液化ジメチルエーテル （DME）を溶媒に用いれば、乾燥の前処理を施すこと 無く、微細藻類から油脂を抽出できると着想した1) 。