非熱プラズマの常在菌に対する滅菌効果

摘要

新型インフルエンザウイルスやMRSA（メチシリン耐性黄色ブドウ球菌）を初めとする病原性微生物は、パンデミックや院内感染を引き起こし、大きな社会問題となっている。これらの病原性微生物による感染を低減させることは、大変重要な課題となってきている。微生物の死滅機構は、熱や圧力によるたhばく質や生体構造の損傷や酵素の不活化、ガンマ線·紫外線·電子線などの暴露によるRNA、DNAなど核酸の損傷であることが知られている。現在、高い清浄度が求められるバイオロジカルクリーンルームではホルムアルデヒドなどの有毒ガスを用いて定期的に滅菌する場合が多く、これらは施設のみならず人体にまで悪影響を及ぼす事が知られている。平成14年に厚生労働省から職域における濃度指針値により製造環境中のホルムアルデヒドガス濃度を0．08ppm以下とし、これを超える場合には換気装置の設置や増設を義務付けられるなど、必要な改善措置を講じるように勧告されるようになり敬遠されるようになってきているので代替滅菌方法の開発は急務である。