運転制御用センサからのデータに基づくメカトロニクス機器の故障兆候検知法

摘要

昨今のセンサ技術の向上により，製造業，インフラなどさまざまな現場において，センサデータを収集し，そのデータを活用する取り組みが進hでいる.特にメカトロニクス機器においては，制御装置を通じて多くのセンサデータを収集し，状態基準保全(Condition-based maintenance： CBM)へ適用することが試みられている[1].しかしこの場合用いられるセンサは，コスト等の関係から運転制御用のものであることが多く，通常機器の劣化を直接示していない.そのため，センサから得られるデータと故障徴候との間には多対多の複雑な因果関係が存在し,また，外乱要因をセンサが検知してしまうこともあるため，得られるセンサデータを保全活動に活かすことが十分できていない場合が多い.そこで本研究では、モニタリングデータと故障兆候との間の関係をニューラルネットワーク（以下NNと表記）を用いて学習することで，モニタリングデータに基づき故障兆候を検知し，予防保全の実施を促すシステムを提案する.