デジタルヒューマンのための前腕ひねり作業のモデリング－前腕の骨格を考慮した上肢のモデリング

摘要

人間の日常生活や労働の場において，前腕のひねりを伴う運動は多く，その運動のメカニズムは複雑である．しかし，作業性を事前に評価するために用いられるJack やRAMSIS などのデジタルヒューマンモデルの前腕は1 本のフレームから成る簡易なもので，しかも，上肢のいかなる姿勢においても前腕の回転可動域が一定となっている．本研究では，Ｘ線ＣＴ装置を用いて前腕の橈骨·尺骨を撮像し，その形状データに基づいて前腕のひねり運動，すなわち回内回外運動をシュミレーションするために，橈骨·尺骨からなる３次元骨格モデルを構築する．橈骨·尺骨については，これまでに実測に基づく代表的な運動をCG によって再現するものはあるが，本研究では両骨の解剖学的制約を定量化し，それを組み入れたモデルの構築を目指す．