時間相関関数を用いた過冷却状態におけるアモルファス金属の緩和特性

摘要

本研究では，過冷却状態のアモルファス金属において，3次元のMDにより得られる一連の時系列データから密度の時間相関関数を計算し，過冷却状態における緩和特性を解析する．著者らの以前の解析結果のから，2元系アモルファスのCu_(30)Zr_(70)とNi_(30)Zr_(70)を比べると，Ni_(30)Zr_(70)の方が長い時間相関関数の緩和時間の結果が得られている．CuとNiの単体結晶における格子定数はほとhど同じであるが，Niの凝集エネルギ可ま低い．したがって，種々の原子間相互作用が強く，そのことが緩和時間に反映されたと考えられる．以上のことから，ここでは簡単な2体間ポテンシャルのパラメータを変化させることにより，2元系アモルファス構造の緩和特性について検討する．