資源の希少性を考慮した製品3Rシステムを構成するマルチステークホルダモデリング

摘要

持続可能型社会において，二酸化炭素や廃棄物の排出量などの環境負荷を低減する為には，環境性能を配慮した製品設計及び製品3Rシステムをの高度化が不可欠である[1]．近年では，3Rシステムの設計に関連して，希少資源（レアメタルなど）の国内循環が，持続可能型社会を実現するための一前提条件として認識され始めた．特に，製品に含まれる希少資源を安定しで供給できなければ，国内の製造業の生産活動に大きな影響を及ぼす．本研究の目的は，資源循環に関するライフサイクル設計問題を解決する工学的手法を開発することである．この研究の一成果として本稿では，製品ライフサイクルを構成するステークホルダが資源の希少性を考慮した上で経済的に適った意思決定を行うとモデルを提案し，このモデルのライフサイクルシミュレーション（LCS）[2]を行いモデルの理解に役立てる．LCSは製品ライフサイクルの各プロセスの相互作用を研究する際に有効な手法である．LCSを用いて資源循環を扱う既存研究は為された[3]．しかし本研究のように，製品ライフサイクル内で為される意思決定に資源の希少性に由来する資源価格の変化を導入する研究は為されていない．