部品加工工程における環境負荷算出システムの開発（第二報）－切削油剤と切屑の処理のモデル化

摘要

環境の世紀と言われる21 世紀において，これからのものづくり技術は，高能率·高精度·低コストに加え低環境負荷を実現するものでなくてはならない．そこで本研究では，工作機械を対象に，加工に起因する環境負荷を正しく算出するシステムの開発に取り組hでいる．このシステムの開発には，排出原単位と呼ばれる，電力や固形廃棄物などの中間計量物からCO_2 やSO_x，NO_x，CH_4，N_2O など各種排出物質を換算するデータが必要不可欠である．また将来的には，環境負荷がコストと同等に扱われると言われており，このようなデータ整理は，今後のものづくりのためには急務と言える．一般的に排出原単位は，LCA（Life Cycle Assessment）のインベントリー用の資料などを引用するが[2]，埋め立てや燃焼以外の廃棄処理に関するデータが存在しない場合が少なくない．そこで本報では，この排出原単位のうち，特に重要と考えられる切削油剤と切屑の処理に焦点を絞り，様々な廃棄処理に対応した排出原単位の算出を試みたので紹介する．