三次元磁極構造を用いた磁極子小型化による電動機の推力密度向上

摘要

産業機械には直進運動を出力とするアクチュエータが広く利用されているが，ここに直動電動機を用いることで動力伝達機構が不要となり保守性·信頼性に優れたシステムが実現する。しかし減速機構を持たないダイレクトドライブ構造において，必要な力を確保するには系全体の大型化が避けられず電動機単体の更なる推力密度向上が望まれる。これまでに円筒型の直動電動機に対して三次元磁極構造を適用させることで推力密度向上の効果を明らかにしたが，磁気飽和の影響で推力密度が制約された。一般に電動機の推力密度向上には電動機体積あたりの電磁力が作用する面を大きくする方策が用いられる。そこで今回，板状の磁極子を中心に配置し両側から空隙を介して電機子で挟み込む構成の電動機を対象に三次元磁極構造の適用を検討した。