電気の使い方から独居高齢者を見守るシステムその１:電気機器の使用にあわせて給電線に高調波電流を注入する方法

摘要

独居高齢者の増加に伴い、高齢者を見守るためのシステム（安否確認システム）が開発されている。しかし、これらの多くは高齢者自身の操作が必要であったり、発信器を常時携帯する必要があったりして高齢者にとっては不都合も多い。また、赤外線センサ等で高齢者の動きを把握する方式のものもセンサが目に触れやすいことから常時監視されているという印象を高齢者に与えやすい。このため、「生活すること、イコール、電気を使うこと」という認識に立ち、既存の屋内配線を利用して、なるべく簡易な方法で独居高齢者を優しく見守るシステムを開発することとした。ここでは、テレビやトイレの照明など、生活に密着した電気機器の使用を正確に把握するため、これらの機器の使用に同期して人為的に特定の高調波電流を給電線に注入して(注1)、給電線入口位置に設置した測定器（需要家端末）によってこの電流を捉える方法を開発し、独居高齢者見守りシステムとしての有効性を実際の独居高齢者宅において検証したので報告する。本システムの独居高齢者宅への設置イメージは図1に示すとおりである。