情報呈示装置「盲導盤」の研究

摘要

現在，国内の視覚障がい者数は約31万人と推計されており，視覚に障がいを持つ場合，他の障がいを持つ場合に比べ外出率·就業率が低いという問題がある[1]［2］．視覚障碍者の方が安全に外出する方法の一つとして，盲導犬による歩行補助が挙げられる．盲導犬は体に取り付けられたハーネスを通じて利用者の腕に牽引力を呈示し，利用者の歩行を補助する．盲導犬の役割として，まっすぐ歩行する，交差点や曲がり角·階段を教える，段差や障害物を教える，指示された近くの目的物まで誘導するなどが挙げられる．これにより利用者の歩行への恐怖心を軽減させ，行動範囲の拡大や外出機会の増加に繋がっている．しかし盲導犬は地図情報を把握し道案内を行うことは出来ず，利用者が道を記憶し行き先の方向を盲導犬に指示しなければならない．また，盲導犬の育成が困難なため慢性的に不足していることや，飲食店での入店拒否等の問題の懸念により，盲導犬を希望していても利用できないケースが増加している［3］．