銀行営業店のヒューマノイドロボット向け音声対話システム

摘要

近年，様々な分野でヒューマノイドロボット（以降，ロボットという）を使った音声対話でのサービス提供が検討されている．具体例としては，駅や大規模商業施設内の情報提供［1］［2］，病院での患者との音声対話［3］などのサービスが検討されている．本研究においては，銀行営業店におけるロボットを使った音声対話でのサービス提供について検討した．サービス例としては，ロボットが用件を聞いて記帳台などへ誘導する案内業務がある．また，ロボットが来店者に金融商品を紹介する業務が想定される．各サービスの提供を実現するため，使用するロボットは，必要に応じて使い分けられるケースが想定される．具体的には，案内業務で来店者を誘導するため，ロボットは移動可能であることが望ましい．移動可能なロボット（以降，移動ロボットという）としては，例えばEMIEW3［4］がある．一方，商品紹介業務においては，来店者を誘導する必要が無い．よって，机上などの限られたスペースでも設置可能な，音声会話に特化した，より小型のロボット（以降，小型ロボットという）を使うことが望ましい．そこで，本研究においては，移動可能なロボットEMIEW3に加えて，小型ロボットも使用可能な音声対話システムを開発した．そして，オフィスビル内で銀行員を含む被験者77名を対象として，開発したシステム（以降，提案システムという）の感性評価を実施した．そして，提案システムの受容性を明らかにした．