災害対応ロボットの活用を目指した豊田消防との連携訓練

摘要

近年，地震や火山噴火などの自然災害が日本各地で発生しており，今後も多くの自然災害が予想される．災害現場では2次災害の危険があり，人の作業が困難になることが予想されるため，ロボット技術に注目されている．これまでに多くの災害対応ロボットや消防防災ロボットが研究開発され，レスキューロボット実証実験及び想定訓練が実施されたり，国際レスキューシズテム機構によるロボットの無償貸与が行われてきた[1][2][3]．そして2011年に発生した東日本大震災や2016年に発生した熊本地震では，多くのロボットが活用され，情報収集を行い大きな成果を上げている．筆者らはこれまでに災害対応ロボットの研究開発を行ってきた．災害対応ロボットの研究開発を行う上では学術的なアプローチだけでなく，実用化に向けた視点での研究が必須である．これまでに「豊田市と愛知工業大学との包括連携に関する協定書」に基づき，愛知工業大学と豊田市消防本部中消防署が合同で災害対応ロボットに関する検証訓練を行い，両機関の研究や活動に対する理解を深めるとともに今後の災害対応ロボットの効果的な活用に向け，大学と消防が合同で訓練シナリオを作成し，これまでに4回の検証訓練を実施してきた．2015 年8月22日に第1回の検証訓練を行い，2016年2月23日に第2回の検証訓練を行った．第1回，第2回では，実際にどのような作業がロボットで行えるか，どのような環境でパフォーマンスが出せるか．という点で消防隊員の方と検証訓練を行った．