地上における太陽励起のクロロフィル蛍光の猛暑日での日中変化の観測

摘要

太陽励起のクロロフィル蛍光(Solar Induced ChlorophyllFluorescence :SIF)は、植物が吸収した光のうち、光合成に利用しなかったエネルギーの一部を蛍光として放出したものである。近年、人工衛星から全地球におけるSIFの季節変化が観測されており1) 、我々は光合成量推定アルゴリズムに組み込むことを検討している。しかし、SIFは衛星観測の時間だけのデータであり、光合成量推定に利用するためには推定の際のクロロフィル蛍光と光合成の日中変化の関係の詳細な把握が必要である。従来は太陽光条件下で蛍光を観測することは難しかったが、栗山らは太陽光を誘起光源に利用して、冷却式CCD 分光器を用いてSIF スペクトル計測データを取得し、反射光から蛍光を分離する新たな手法の提案2)を行なった。本研究では、地上における太陽励起のクロロフィル蛍光の日中変化の観測を目的とする。