地方都市防災建築街区の行政による現況評価及び推進意向:防災建築街区における行政の意向と住民意識に基づく将来計画に関する研究その１

摘要

｢防災建築街区(以下、防災街区)｣は、1961年に制定された｢防災街区造成法｣に基づき、全国各地で施行された。防災街区は、戦後の木造建築物が都市部に密集し、火災に対して脆弱な状態であった街区に対して、延焼を防ぐ「都市の防火壁」としての役割を果たしてきた。現在は、事業が完了してから40年以上が経過しているため、建物の老朽化が進み、耐震基準等も低く、建替えや改修が急務となっている。しかし、防災街区住民の高齢化や資金不足、行政との連携不足により改修が進まず、全国各地で放置された状態にある。本研究では、全国の地方都市で施行された街区毎の特徴と、各都市の抱える問題点や現況及び意向を把握することで、類型化されたグループ毎の特徴を明確化することを目的とする。