隔膜に多孔板を用いた電解法によるフッ素•ヒ素の同時除去法

摘要

フッ素(F~-)の一律排水基準は8 mg/Lと定められている が，適切な処理技術が存在しないため，温泉業では暫定基 準が適用されている。一方，ヒ素(As)の一律排水基準は100 Hg/Lである。温泉旅館に対しては適用除外となっている が，一律排水基準を超えるAsを含む温泉は多数存在する。 筆者らは，電解法によって溶液中のF~-, Asを除去する技 術開発を行ってきた。電解法とは，隔膜によって陰極と陽 極とに隔てられた電解槽に，マグネシウム(Mg)を含む溶液 を添加し，電気分解を行うことで陰極側に発生する水酸化 マグネシウム(Mg(OH)_2)との共沈によりF~-， Asを除去する 方法である。素焼き板を隔膜とした連続式電解装置による 電解処理により，一律排水基準を満たすことは可能であつ た。しかし，長期間の運転では，素焼き板に徐々に閉塞が 生じ電気抵抗の増加により電力消費量が増加した。そこで， 本研究では多孔板を隔膜として使用する新しい電解法を 考案した。