力メラ搭載マイコン基板によるタグの位置計測とその評価

摘要

本稿では，マシンビジョン向けカメラ搭載マイコン基板OpenMV Cam M7のAprilタグ検出能力とその実用性について調査を行った。ある大きさのタグについて，検出可能な距離や角度について調べ，抽出画像を用いることで検出範囲を延長することができた。次に，ライブラリ関数が出力する無次元量の位置座標を，メー トル単位に変換する変換行列を，最小二乗法を用いて推定し，メートル単位座標を求めたところ，相対誤差は数％以下となった。M7基板は，カメラのキヤリブレーションが不要で，タグの大きさを指定しなくても簡単に位置を取得できるが，今回の実験により，カメラの解像度やメモリ容量•処理速度の関係で，タグの分解能が不足しており，使用可能な範囲（距離や角度）が制限されることが分かった。タグ検出範囲を拡大するためには，別のハードウェア（高解像度カメラと高性能なコンピュータ）を用いる必要があると思われる。今後は，M7基板の他の機能に関する調査や，別のハードウェアを用いたタグ検出実験（今回との比較）を行いたい。