設備の限られた実験環境における簡易微生物核酸抽出手法の検討

摘要

水系感染症の感染状況改善に向けた有効な施策には病原微生物の検出と感染経路の特定，汚染状況の素早い把握が重要とされるが，発展途上国これらに必要な施設や機材の不足から適切な公衆衛生的介入が困難である。近年開発されたポータブル型PCR装置を用いて病原微生物が迅速に検出できる可能性があるが，抽出手法に関しては据置型機器や複数の装置を使う手法が主流であり，設備の限られた実験環境では，簡易な抽出手法が求められる。そこで本研究では、核酸抽出用磁気ビーズを用いて，複数の微生物(細菌およびウイルス)を同時に抽出する簡易な手法を検討した。