子どもの社会化を育む住まいの空間構成の研究

摘要

住まいや環境は子どもの成長過程において、社会化を育む重要な要素であると考えている。戦後64 年の間に、子どもを取り巻く環境は著しく変化してきた。戸外での遊び場の減少、それに伴う居場所の変容、地域とのつながり方にも変化が見られる。世帯構成では、夫婦と子どもから成る世帯を単独世帯が上回り１)、多様化が進hだ。一方、戦後供給されてきた住宅は所謂nLDK型の住宅が中心である。そのn（個室）の一つが子ども部屋とされてきた。このことは子どもの社会化を育む目線から計画されてきたことではない。本研究では、こうした環境の変化や住まいが、子どもの社会化にどのような影響を与えているのかを検証し、子どもの社会化を育む上で求められる空間の要素を抽出することを目的とする。