保育所における子どものあそびと空間との関係について

摘要

保育所における子どものあそびは、コーナーのみでなく、コーナー外においても多様に発生する。特に、道具を使用しないあそびはコーナーの外でより多く発生しており、創造的なあそびや休息的な行動を促す上で、用途や使用人数を制限しないスペースの重要性が明らかになった。一方、道具を使用するあそびは、コーナー内で多く発生している。特に「造形あそび」「ごっこあそび」は、あそびに使用されている面積の幅が狭く、コーナーを設置する意義が高いと言える。一方、「積み木あそび」はコーナーの広さを十分に確保するか、広い多用途のオープンスペースを設置することで子どもが創造的にあそぶ上で重要であると言える。「読書」はコーナーよりも段差や座り込める設えが有効に使われていることが明らかになった。また、午睡前やお集りの際に読み聞かせを行う場面が多く観察されたことから、クラス全体で一緒に座って読み聞かせを行えるようなスペースの確保することが重要であると言える。