景観のまとまりとその「ふち」について:高所景観の魅力に関する研究(その3)

摘要

観測者が高所から景観注を視認する際、無意識のうちにまとまり注を認知し、まとまりとその背景との境界に「ふち」を捉える。この境界はゲシュタルト心理学では図に属するとされている。しかし、自然景観の魅力を語る枕草子では、山の端や山際という表現で山の稜線を図にも地にも属するように描写されている。景観に内在するまとまりの「ふち」も、枕草子での山の稜線のような特性を持ち、この「ふち」やまとまりの在り方が景観の魅力を左右すると考える。本研究では、まとまりの「ふち」の特性から、魅力ある景観とまとまりとの関係を明らかにすることを目的とする。