都市部の保育施設再編に関する研究:その１．足立区を事例とした公立小中学校余裕教室の転用可能性

摘要

都市部を中心に保育需要は増加傾向にあり、待機児童問題は早急な対応が求められている。都市部では土地の確保が難しい上、駅前保育など多様なニーズに応えるべく様々な環境の保育施設が誕生している。しかし、施設の環境は子どもが育つ場として重要であり、その観点で立地を考える必要がある。一方、少子化により公立小中学校の児童生徒数は減少し、学校施設には余裕教室が発生している。公共施設の有効活用という点で、余裕教室を効率的に活用することは重要であるが、学校施設以外の活用事例は少ない。本研究では、保育需要の増加が著しい足立区を対象とし、保育施設と公立小中学校の余裕教室の現況及び立地環境を捉え、今後の保育施設整備における余裕教室転用の有効性を探ることを目的とする。