諏訪の工業集積を活用したロボットの開発事例：自律分散型多脚歩行ロボット'MoNOLeg'の設計

摘要

効率のよいものづくりを行うためには，製作を依頼する発注者とその依頼を受ける受注者の間でどのようなやり取りがなされることが重要になるか，またそうしたものづくりを支援するためのツールにはどういった機能が備えられているべきかなどについての多面的な調査·考察が，産業技術総合研究所ものづくり先端技術研究センターの中小企業連合モデルWG（以下WG）で行われた．本稿では，今回WG が取り上げたロボットの開発事例を，発注者の視点から報告する．以下では，まずWG内でどのように設計が進められたかについて簡単に触れる．それから，今回設計したロボット"MoNOLeg" (Modular Network Oriented Legged robot) の基本コンセプトである自律分散型多脚歩行系についてその特徴や有効性を述べる．次いで，目標仕様を決定するに当たっての指針を明らかにし，最終的に設計されたロボットの詳細について説明する．今回設計されたものはまだ製作されていないが，一部の部品については試作を行ったので，その報告も行う．最後にまとめと今後の方針を述べる．