ロボティック遊具を用いた安全科学と科学教育の一体化

摘要

本稿では，日本科学未来館において産業技術総合研究所が取り組hでいる安全科学教育について述べ，その取り組みの評価を行った．また，ロボティック遊具の構造と未来館ツアーの特徴である子どもが科学に参加できる双方向性の学習方法も紹介した．今回，未来館ツアーのアンケート分析により，ツアーは安全知識循環型社会システムの理解，科学と日常生活の関連付け，科学的思考の向上，データ収集という本研究の4 つの目的を達成していることが確認された．また，未来館ツアーでの体験が子どもの将来に影響していることも分かった．これは，双方向性を持った教育方法が有効であることを示している．これからも，一研究者として科学の重要性を伝え，子どもが日常生活の中で科学を発見できるような科学の目を養う手助けとなるような取り組みを続けていきたい．そして，未来館ツアーの参加が，子どもに将来科学関連の仕事をしたいと思い始めるきっかけになればと願っている．ひとりでも多くの子どもが科学に魅了され科学に興味を持つことが社会をより住みよい社会へと変えていく原動力となり，さらにその原動力が日本の国力につながると考える．