やりとり遊びにおける応答予測と馴化·脱馴化を通したルール共創モデル

摘要

ロボットがある行動をすると人がそれに対して応答を返す，この対応関係をやりとりルールと呼ぶ．応答予測と馴化·脱馴化を核としたロボットモデルを提案し，人とロボットでやりとりルールを共創するコンセプトを提案した．ロボットは行動して人の応答を観察することで応答予測を形成（やりとりルールを特定）し，応答を確かめるように行動するようになる．十分に応答を確かめると飽きて他の行動をするようになる．これにより他のルールが発見される余地が生まれる．実験では，被験者と提案したモデルによるロボットでの自由なボール遊びをタスクとした．結果として被験者に応じて，ボールを互いに受け渡したり，転がし合ったり，ボールを渡すかのようで渡さないなどの多様なやりとりが発現した．また応答予測と適切な馴化速度がやりとりの共創を支えていることが分かった．これからの課題として，やりとり遊びの興奮的側面と馴化速度との関連の検証，また実機ロボットにおける検証などがある．最後に，JST ERATO 浅田共創知能システムプロジェクトからの支援に感謝します．