フォトリソグラフィによるマイクロツールの作製とマルチビーム統合型光ピンセットによる操作

摘要

本稿では，細胞に対する複雑な操作の達成を目的として，間接操作を可能とするためにSU-8 を用いたマイクロツールを考案し，その作製プロセス及び回収方法について提案した．フォトリソグラフィを用いて犠牲層の上に複雑形状を有するマイクロツールのパターニングに成功した．犠牲層を用いることでマイクロツールを確実に回収でき，遠心分離を行うことで溶液置換と大量のツールの凝集を一度に行うことができるという利点を持った回収方法を確立した．さらに，対象物の高速操作及び多点捕捉が可能な統合型光ピンセット（Integrated Optical Tweezers: IOT）をマイクロツールの操作に用いることで，マイクロツールのより複雑な動きを可能とした．これによりマイクロツールの形状とその動きをさらに考察することで，微細な対象物に対する様々な操作が実現できるといえる．