首页> 外文OA文献 >Elucidation of Mechanism and Development of Diagnostics of Copper Sulfide Corrosion in Oil-immersed Transformer
【2h】

Elucidation of Mechanism and Development of Diagnostics of Copper Sulfide Corrosion in Oil-immersed Transformer

机译:油浸式变压器中硫化铜腐蚀机理的阐明及诊断方法的发展

摘要

近年、主に海外に設置されている電力用油入変圧器において、絶縁紙上に硫化銅が析出して絶縁不良を引き起こす不具合が報告されている。この硫化腐食問題による機器の品質問題は深刻化し、国際電気標準会議(IEC:International Electrotechnical Commission)のTC 10会議では硫化腐食問題に関する状況と検討結果の報告がなされ、国際大電力システム会議(CIGRE:International Council on Large Electric Systems)では硫化腐食のメカニズム、診断方法、抑制方法とリスクアセスメントのガイドラインを作成すべく、CIGRE A2-32が設立された。筆者は、CIGRE活動の一環として、電力用油入変圧器の硫化腐食の原因究明および診断方法の開発に取り組んだ。第1章は『序論』であり、硫化腐食問題に対するこれまでの研究動向を調査して、研究課題を設定した。既報によれば、硫化銅生成の原因物質は金属不活性剤として絶縁油へ添加されたDibenzyl disulfide(以下、DBDS)であると報告されている。硫化銅生成反応は、DBDSが銅線と反応してCu-DBDS錯体を形成し、この錯体が絶縁油へ溶解することで絶縁紙へ移行する。その後、ラジカル反応によりベンジルラジカルとベンジルスルフェニルラジカルが放出されて絶縁紙上で硫化銅に分解するという反応メカニズムが明らかとなっている。しかしながら、絶縁油にDBDSが添加されていても銅線には確実に硫化銅が析出するものの、硫化銅が絶縁紙に析出する油とそうでない油が存在することが分かった。本論文の1つ目の課題は、絶縁紙上での硫化銅析出を促進する影響因子を明確にし、硫化腐食メカニズムを解明することである。絶縁油の硫化腐食性試験方法として、IEC 62535が規定されている。この試験方法は、絶縁油へ紙巻銅板を浸漬して加熱した後、絶縁紙と銅板の目視観察で硫化銅析出の有無を判断する方法である。この試験方法は、絶縁油へのDBDS添加の有無を簡易的に判別する手法として非常に有効である。しかしながら、絶縁油へ添加されたDBDSは銅線との反応で消費されるため、既設器ではDBDSが枯渇している場合がある。この場合、既設器から採取した絶縁油を用いて機器を診断することはできない。本論文の2つ目の課題は、既設器から採取した絶縁油中から硫化銅副生成物を分析して機器の異常を診断する手法を提供することである。さらに、機器の異常診断で危険性を検知した場合、その対策が必要となる。1,2,3-Benzotriazole(以下、BTA)などの金属不活性剤は絶縁油に添加することで硫化銅抑制剤としても効果を発揮する。このBTAは銅線表面に数~数10nmの錯体被膜を形成する。この被膜がDBDSと銅線との反応を防ぐことで硫化銅生成反応を防ぐことができる。このような硫化銅抑制剤を実器に適用して運用するためには、硫化銅抑制効果とその持続性を明らかにすることが必須である。本論文の3つ目の課題は、硫化銅抑制剤の効果の持続性を検証し、実器における抑制対策の運用について考察することである。第2章には、『絶縁紙上での硫化銅生成メカニズムの解明』を記述する。絶縁紙への硫化銅析出の影響因子を明らかにするため、酸素と酸化防止剤である2,6-Di-tert-butyl-p-cresol(以下、DBPC)の影響を検証した。その結果、酸素とDBPCによって絶縁紙上の硫化銅析出が促進されることが明らかとなった。硫化銅生成反応においてCu-DBDS錯体はラジカル反応で硫化銅へ分解するが、錯体が分解してラジカルを放出した瞬間に他のラジカルがあれば、硫化銅にならず錯体へ戻ることができる。DBPCは酸素によってラジカルを放出してDBPCラジカルへと変化し、Cu-S-DBPC錯体が形成すると考えられる。この錯体も油中に溶解することができるため、絶縁油中での錯体寿命が長くなることで絶縁紙へ硫化銅が移行しやすくなると考えられる。第3章には、『硫化銅副生成物を用いた既設器の異常診断技術の開発』を記述する。本診断方法は、Cu-DBDS錯体とCu-S-DBPC錯体が硫化銅へ分解する際に放出されるベンジルラジカルとベンジルスルフェニルラジカルから生成される硫化銅副生成物を絶縁油から検出する方法である。IEC 62535を模擬した硫化銅生成試験を実施し、生成される硫化銅副生成物の種類を調査した。その結果、酸素非存在下ではベンジルラジカル同士の反応生成物であるBibenzyl(以下、BiBz)とベンジルラジカルとベンジルスルフェニルラジカルの反応生成物であるDibenzyl sulfide(以下、DBS)が生成することが分かった。酸素存在下では、ベンジルラジカルの酸化によって生成するベンジルペルオキシラジカルからベンジルアルコール、ベンズアルデヒド及び安息香酸が生成することが分かった。さらに、絶縁油中にDBPCが添加されている場合には、ベンジルラジカルとDBPCラジカルの反応生成物が生成されることを明らかとした。これらの硫化銅副生成物はDBDSが枯渇した後も絶縁油から長期間検出可能であるため、既設器の硫化銅生成を診断する指標となる。第4章には、『硫化腐食抑制対策の検討』について記述する。硫化銅抑制剤の効果とその持続性について検証した。硫化銅抑制剤は熱および酸素によって劣化することで、その効果を失うことが分かった。このため、絶縁油中の硫化銅抑制剤濃度を管理して濃度が低下した場合には機器への追加添加が必要となる。第5章は、本論文の『総括』である。前述した絶縁紙上での硫化銅生成メカニズム、硫化銅副生成物を用いた既設器の異常診断技術、検討した硫化腐食抑制対策を考慮して変圧器のメンテナンスフローを作成した。このフローによって、機器の運用方法を簡略化できた。本論文では学術的意義の観点から、絶縁紙へ硫化銅析出を促進する影響因子が酸素とDBPCであることを明確にし、これらの因子を絶縁紙上での硫化銅析出メカニズムへ反映させた。さらに、酸素およびDBPCの影響を反映した硫化銅副生成物を明確にし、既設器における硫化腐食の診断を可能とした。また、工学的意義の観点から、構築した硫化銅診断技術を用いた変圧器のメンテナンスフローを作成することができた。
机译:None

著录项

  • 作者

    水野 康太;

  • 作者单位
  • 年度 2015
  • 总页数
  • 原文格式 PDF
  • 正文语种 ja
  • 中图分类

相似文献

  • 外文文献
  • 中文文献
  • 专利

客服邮箱:kefu@zhangqiaokeyan.com

京公网安备:11010802029741号 ICP备案号:京ICP备15016152号-6 六维联合信息科技 (北京) 有限公司©版权所有
  • 客服微信

  • 服务号