中·厚板加工：最先端のレーザー加工機を備え、新分野も取り込む

摘要

L字型の大不況に落ち込んだIT業界にも薄日がさし始め、秋口以降の本格的な回復を見込んで積極的な設備投資を計画する企業も現れ始めた。 半面、IT業界の目まぐるしい市況の変化と、価格破壊に対応した発注元の海外生産シフトの強化で、「これから日本の精密板金業界に残る仕事は少なくなる一方。 コストや納期で追われ中国価格への対応まで要求されて企業体質は衰えるだけ。 それなら海外へ仕事が流失する割合が比較的少ない内需関連の仕事を開拓していきたい」と精密板金加工業者が比較的中。 厚板を使う内需型の仕事である、建築、土木、造船、橋梁、重電関連－を開拓する傾向が顕著になりはじめた。 しかし、これまでの精密板金加工業者と言えば6、9mmまでしか加工できないタレパン、レーザー加工機、ベンダーが主要な設備。それで中·厚板の加工を行なうというのはかなり無理が出て来る。 だからといって従来から中·厚板加工を得意としてきた製缶板金加工業者にあるような大型のベンダーやロールベンダー、シャーリング、さらには厚板加工用のレーザー加工機やプラズマ、ガス切断機を導入して既存の業者の土俵で競争しても新規に営業開拓するのは難しい。 結果として他社にはない特徴ある機械や加工技術を身につけないと、この分野でも厳しい競争にさらされるということになって、業態を内需型に切替えるのも難しいという事が言える。