加熱不十分なハンバーグが原因食品と推定された腸管出血性大腸菌食中毒について

摘要

令和5年10月,医療機関からの感染症発生届 を端緒として,山口県内の飲食店で調理?提供さ れた「ハンバーグ」を原因食品（推定）とする腸 管出血性大腸菌O157 : H7（以下FO157」という。）食中毒事件が発生した。さらに,同時期に， 他県に所在する系列店2店舗の利用客からも同様 の患者の発生が確認された。いずれの患者も共通の冷凍ハンバーグ（食肉半製品）が使用されたメニューを喫食しており，提供されたハンバーグは，中心部まで十分な加熱を行っていない状態のものを加熱した鉄板にのせて客に提供し,客が最終加熱を行って喫食する形態であった。同様の提供形態の飲食店が散見されるなかで,本件が衛生指導等の一助になるよう,その概要を報告する。