日本の新型車デザイン·チェック／その16：ホンダ·オデッセイ－成功するか,3代目の方針転換

摘要

新たな発明？ セダンライク·ミニヴアンの先駆けとなったホンダ·オデッセイの3代目が10月17日発表された．94年に登場した初代はスマートな外形ながら室内高120cmでウォークスルー可能な3列シートの充分な居住性が特徴だった．それまでのミニヴァンはキャブオーヴァートラック·ベースの商用ヴァンの発展型であり，ホンダはこれらとはまったく異なるコンセプトでミニヴァン·デザインを追求したことが新たな需要を喚起し，ホンダの好業績を支える製品となった．99年の2代目は初代の人気に引きずられてキープ·コンセプトだったが，販売実績では4年間で26万9025台，平均月販ほぼ6000台という好成績を記録した．しかしプラットフォームが新しくなる3代目は，もはや飽和状態の既成ミニヴァン市場からの脱却をめざしている．ホンダは発売1ヵ月前からのティーザーキャンペインではミニヴァンを「発明しなおしました」と謳ってきた．どこが「再発明」なのかといえば，全高1550mm（先代は1630mm）ながら1220mmの室内高を確保した低床パッケージを実現したことにある．これによって市街地の立体駐車場の利用が可能になり，低重心だから高速旋回や横風にも有利になり，いわゆるスポーティ·ミニヴァンに変身したということなのである．フィットをはじめ低床パッケージの研究に積極的なホンダ独自のノウハウが活かされている．開発を指揮したのはLPL室の竹村宏チーフエンジニア．新たなカテゴリーを創造してきたメーカーとして「ホンダの社会にたいする生きざま」を見せることが責任であるという．