昂るトリノ－フィアット·グループのいま

摘要

試乗前、ドライバー氏が発したそのひと言は、まさにその通り。30度勾配（肉眼ではカベにしか見えず。それも、雨でドロドロ！）を、1速でニベもなく登り、コトもなく下っていく。いまにもコロリとでんぐり返ししてしまいそうに見える、前ページの見開き写真だが、当の車内ではドラマの類いは皆無。0.9l2気筒ツインエア·ターボエンジンの快音をともなって、活発かつ鷹揚にバロツコ自慢のラフロードを突き進む。新型パンダは、日本でもおなじみの先代に比べ、115mm長く、50mm広く、15mm高い。その恩恵は室内空間と荷室に充てられていると感じた次第。エクスデノアや細部のフィニッシュはさらに丸みを帯び、ただ眺めているだけで頬が緩んでくる。フィアットマニアならずとも気になる1台。それが、新型パンダだ。うれしいことにこの新型パンダ、近々、FWD＋デュアロジック版が日本に導入されるという。そしてほどなく訪れる“パンダ来日”のタイミングこそ、新たなフィアット·グループの息吹をわが国で感じることができる、“ジャパン·プレミア”に他ならないのだ。