大家の坊ちゃん：ランチア イプシロン 1.4 16V Bカラー(LANCIA YPSILON 1.4 16V B-COLORE)／ランチア ムーザ1.4 16V D.F.N (LANCIA MUSA 1.4 16V D.F.N)

摘要

医者や弁護士が奥方を乗せるのに選ぶのがマセラーテイ、愛人と逢瀬を楽しむことを大切にする人種ならばフェラーリ。 1950～60年代のイタリアでは富裕層の間でこんな意識があったという話を間いたことがある。 ではランチアとなるとどうだろう？ これら2メイクほどスポーツカー造りに傾倒していたわけではないが、戦前から質が良く手の込んだ中·高級車を作り続けてきた老舗メーカーであり、5時代にはワールドスポーツカーレスやF1にまで参戦したのだから高性能であることも間違いない。 何よリマセラーティやフェラーリと異なったのは、ランチアが高品質な小型車を仕立てることに長けていた点である。 イブシロンの室内で時を過ごしていると、そうした彼らの才腕がいまも至るところで発揮きれていることに感心しないわけにはいかなかった。 本家フィアットが業績不振で迷走するなか、“大家の坊ちゃん”然としていられるランチアは、己の立ち位置がわかっているメーカーと言えないだろうか。