場づくり技術：お遍路×ロホットによる同行二人

摘要

「場」において気づきが得られ，他者との出会いが生まれることは，我々にとって身近な経験であろう．そしてコロナ禍のもとで強い制約を受けたコミュニケーションは，人々に「場」の重要性を考える貴重な機会を与えてくれた．創造には「場」が不可欠である．そしてコミュニケーションの「場」の脆弱化は社会的な創造性の低下にもつながる．創造性は知的生産性だけでなく，人を思いやる心の基盤としても重要である．いま，コロナ後の社会における「場」の再生は喫緊の課題であり，ここに場づくり技術に注目が集まる必然性がある．本稿では，我々が四国お遍路を舞台として進めている，歩行支援ロボットWalk-Mateを用いる同行二人の場づくり（図1）について紹介する．