硝酸薬?ニコランジルの慢性期における意義

摘要

虚血性心疾患の慢性期における薬物治療の目的は大きく分けて2つある.1つは予後改善で あり，もう1つは狭心症症状や運動耐容能の改 善，すなわちQOLの向上である.硝酸薬に関 しては長期予後を改善したという明確なヱビデ ンスがなく，もっぱら症状改善を目的に用いら れる.ニコランジルについてはIONA試験に おいて心血管ィベントを減らすという結果が報 告されたが，これ以外に予後改善についてのェ ビデンスは必ずしも多くなく，日常診療におい ては主に症状改善を目的に用いられる.