シロスタゾールと抗血栓、抗動脈硬化

摘要

1990年代にRussell Rossが動脈硬化の発症、進展の機序を概説して以来，動脈硬化の発症、進展には白血球の活性悠が強く関与していることから，動脈硬化を炎症の一種と見る向きもある。 また，スタテンやARBなど，本来の薬効であるコレステロール低下作用や血圧低下作用以外にも，内皮細胞など血管壁や白血球に対する作用など，抗炎症的作用が動脈硬化の進展予防に関与しているのではないかとするデータが数多く報告されている。 ˉ伐恁攻骏京`ルは，抗血小板薬として慢性動脈硬化症の症状改善と脳梗塞再発抑制に広く使われている。しかし，その基礎データや臨床データから，シロスタゾールは抗血小板作用以外の血管壁も；対する直接作用が血栓性動脈硬化の進展や発症の予防，抑制に寄与しているのでないかと考えられている。 今回は内皮細胞や白血球の面からシロスタゾールの作用を紹介する。