Genetic Algorithmを用いた位相コントラストCTのためのロバストな位相アンラップ法

摘要

硬X線領域においても，位相情報を用いて画像を形成すれば，吸収ではコントラストがつきにくい軽元素から成る生体軟部組織を高いコントラストで描出することが可能である．位相CT再構成の過程において，干渉縞画像から投影を形成する際，本来の位相値からのphinシフト（〃は整数）を補正するため位相アンラップ処理が不可欠であるが，外乱等のため干渉縞に断絶点が多く存在するような干渉画像に対して補正することは難しい．本研究では，位相アンラップ問題を組合せ多目的最適化問題と見なし，Genetic Algorithmを用いて解を求めるアルゴリズムを提案する．SPring－8で取得した実データを用いて，その有効性と問題点を検討した．