多重ネットワークへの戦略的リンク付加によるレイヤーノードベース攻撃に対するロバスト性向上効果の検証

摘要

従来より活発に行われてきた単層ネットワークのロバスト性を分析する研究は、近年、多層ネットワークのロバスト性を分析する研究へと拡張されつつある。代表的な多層ネットワークのモデルには、相互依存ネットワークおよび多重ネットワークというモデルが存在する。我々は、多重ネットワークの各層が攻撃を受けるレイヤーノードベース攻撃に対する多重ネットワークのロバスト性向上を目指している。特に本稿では、相互依存ネットワークのロバスト性を向上させるための既存手法である戦略的リンク付加Low Inter Degree-degree Difference（LIDD）およびRandom Inter Degree-degree Difference（RIDD）が、多重ネットワークのロバスト性を向上させる上でどの程度効果的であるかネットワーク攻撃シミュレーションによって調査する。その結果、RIDDによるリンク付加はLIDDによるリンク付加およびランダムなリンク付加と比較してレイヤーノードベース攻撃に対するロバスト性向上効果が高いことなどを示す。