[依頼講演]構造音韻論の物理実装に基づく学習者表象と発音学習支援

摘要

「二人として同じ学習者はいない。 」「地球上には約20億の英語学習者が存在する。 」この二つの事実は，地球上に約20億種額の英語が存在することを意味する。 学習者を記述する文字の創成を考えた場合，この20億の対象物を描ききる枠組みが必要となるが，学習者が生成した文の誤りや，生成した音声の誤りを記録するだけでは不十分である。 人間の言語活動を「脳内言語システム」の出力と捉え，そのシステム動作を決定する各種パラメー夕群を定義することで統一的な記述方法を考案し，パラメータ値の差異でもって20億の学習者を描く方法論の確立が必要である。 言い換えれば，言語学という字間を人間一人一人の言語活動を記述する学問として再構築する必要がある。 本研究では言語学の祖と言われるソシュールの主張を数学的·物理的に解釈することで構造音韻論を物理実装し，その上で，20億の学習者を描ききる手法を捷案すると共に，可能となりつつある発音学習支援環境について報告する.