ダイヤモンド表面の有機化学反応

摘要

ダイヤモンドは，特異な物性を数多く併せ持つ結晶性無機化合物である。 ダイヤモンド表面に有機官能基を導入できれば，ダイヤモンドの有する特異な物理的特性と有機官能基の有する化学的特性を併せ持つ，新規な機能性有機一無機複合材料を創製できる。 ダイヤモンドは有機化合物と同様，炭素原子から構成されているので，有機化学反応によりダイヤモンド表面を化学修飾できる可能性が高い。 筆者は，このような観点からダイヤモンド表面の化学修飾について研究を行ってきた。 本稿では，これまでの研究成果と今後の展開について紹介する。