有機超強塩基によるアニオンの触媒的発生を鍵とする分子変換反応の開発

摘要

有機塩基を触媒として用いる分子変換反応は，古くから有機合成に汎用されてきた最も基本的かつ有用な触媒反応の1つである。近年では環境調和型の有機分子触媒反応として注目を集め，研究が盛hに行われている。しかしながら，反応に適用可能なプロ求核剤の制限や可能な分子変換の乏しさなどの潜在的な課題に対する取り組みは非常に限られていた。近藤 梓氏は，反応が基質の脱プロトン化によるアニオン種の発生を起点として進行し，発生可能なアニオン種の多様性が用いる触媒分子の塩基性に大きく依存することに着目した。